【舟を編む】アニメ全話感想【11話最終回更新】

船を編む

アニメ「舟を編む」の全話感想文です。原作は三浦しをんの小説でノイタミナ枠のアニメとうことで放送前から期待していました。キャラクターデザインは雲田はるこです。いい組み合わせですね。

私は原作小説は未読で実写映画のほうは見ましたが内容をすっかり忘れているので、アニメは新鮮な気持ちで楽しみたいと思います。

感想を各話ずつ全話分、放送後に少しずつ追記していきます。完全な個人ブログになります。

もくじの各話をタップorクリックするとスーッとその話数の個別感想に飛べます。

※ネタバレ注意です。

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原作小説「船を編む」三浦しをん

1話の感想 茫洋(ぼうよう)

タイトルの「茫洋」はひろびろとした様子のこと。

辞書とは広々とした言葉の海を漕ぐ一層の舟のようなもの。辞書で色っぽい言葉をひいてしまうというのは子どもの頃みんながやったことだなーと懐かしかったです。

玄武書房辞書編集部での辞書作りの後任者を探す荒木さん。ひょんなことから出会った馬締(まじめ)という営業部の社員に目をつけ辞書編集部に異動させようと試みます。

真面目な馬締との対比で、辞書編集部の西岡のチャラい感じが軽妙です。空気についていきなり語りだしたりと、馬締は一風変わった人のようですね。

下宿先の古びた日本家屋や、大家さんのおばあさんとの関係も微笑ましいなあ。普段は自炊のようですね。居ついている猫のトラさんがかわいい。

教えて!じしょたんず♪という唐突な解説にびっくり(笑)辞書にはそれぞれ個性がある、ということだけは分かりました。

右という説明に辞書を引いたかのごとく回答する馬締。コミュニケーションが得意ではなさそうなのですが、辞書編集部で能力を生かせるといいですね。

いちいち書店さんに伝えるセリフをメモして暗記している営業さんとか、馬締は営業部で大丈夫だったんでしょうか。

2話の感想 逢着(ほうちゃく)

タイトルの逢着とは出くわすこと。大きな海を渡ると書いて「大渡海」という辞書を作るために辞書編集部に異動した馬締。

歓迎会を開かれたりするも、辞書編集部に馴染めるのか不安がっています。大家さんのタケさんの「頼ったり頼られたりすればいい」という言葉が身に沁みます。

馬締はタケさんにはとても気に入られているようだし、爽やかとはいかなくてもその名字の通りに真面目でとても善良な青年なのでしょうね。

そうじゃないとタケさんがご飯に誘ったりしないと思います。猫に誘われるように美しい満月の夜、運命的な出会いを果たした馬締のお相手については次回でしょうか。

携帯すら持っていない馬締は、エスカレーターに乗る人を見ることが趣味。誰かに操られるように整然と人が流れていく美しい情景に心惹かれているのでした。

辞書は言葉の海を渡る船。人は辞書という舟に乗って言葉を見つけにいく。言葉がなければ人の気持ちを受け止めることも、こちらの思いを伝えることもできない。

もっともふさわしい言葉を探して、言葉という光を探すのが人間。うまく言葉を見つけられない人にも寄り添い安心して乗ってもらえるような辞書が、これから作っていく「大渡海」

辞書とはひとことでいうと皆がより理解しあえるような世界を築く一助となるもの。力を貸してほしい、と馬締に頼む松本先生。

地道な辞書作成という仕事は10年20年とかかる気が遠くなるような途方もない壮大な仕事です。

辞書編集部は時代の流れと共に縮小はしたけれど、決して閑職ではなく「残った」部署でもある。どの言葉を選ぶのかでその辞書のカラーが決まる。言葉選びが命になるということですね。

何か自分も辞書作りの役に立ちたいと思う馬締。これからチャラい西岡たちと関わりながら辞書編集に携わっていくのでしょう。

最後の西岡の気遣いには思わず笑ってしまいました。野菜しか残ってないとか辛い(笑)

3話の感想 恋(こい)

まっすぐなタイトルがいっそ清々しい。あの夜、馬締が一目で恋に落ちたのは誰の目にも明らかでした。

昨夜会ったのは大家さんの孫娘の香具矢。ぼんやりしている馬締に対してキリッとした美人でしっかり者の香具矢は板前の修行中の身でした。女性の板前さんってかっこいいですね。

香具矢が気を遣って話かけてくれても、馬締は上手におしゃべりもできず落ち込みます。

女性慣れしていない感じが馬締らしくて、こういう人は絶対にいい旦那になりそう。

ショックのあまりほぼ直角にうつむいて出勤する馬締ですが、この体制は大丈夫なんでしょうか。ぶつかったりしそう。と思ったら電柱にぶつかってた(笑)

職場でもさっそく様子がおかしくて、すぐに西岡にも気づかれてしまいます。西岡はチャラいですが人のことはさりげなくよく見ていますよね。仕事をサボるのも上手です。

馬締のちょっとした疑問にも、なんだかんだ文句を言いながら手伝ったりと意外とお人よしな西岡。

マジメなタイプとチャラいタイプの人間のように真逆のタイプの人間同士は、仲が悪いか良いかのどちらかにはっきり分かれるといいますが、馬締と西岡は案外いいコンビでうまくやっていけそうだなー。

馬締のマジメでマイペースで誠実な人柄に、西岡のような軽いタイプは安心するのかもしれません。

馬締としても自分からは積極的になれないから、西岡のように遠慮なくズカズカと関わってきてくれるような人のほうがつき合いやすそうです。人は自分にないものに惹かれるといいますからね。

ただ、職場の皆で片思いの女性のお店に行くとか、なかなかハードルの高いことをあっさりと許可するあたり、馬締は懐が深いと考えるべきか鈍感というべきか。

ただ香具矢のお店に訪問して香具矢と馬締が仲良くなれたというよりは、むしろ馬締と西岡の関係が深まったような…。

美しい月夜の下お互いをすごいと褒めあったり「変なやつ」と言いながらも、馬締と一緒に働くことを「けっこう楽しい」と思うあたり、西岡も徐々に馬締のペースにはまっているということでしょう。

辞書編集部がなくなるかも!?というところで4話へ続く。EDの静かな感じもこの作品の雰囲気に合っていていいですね。

4話の感想 漸進(ぜんしん)

漸進とは少しずつ進むこと。辞書編集もですが馬締と香具矢の恋模様を指示しているようで奥が深いタイトルです。

辞書編集部が社内でつぶれる方向に進んでいるという噂を聞きつけ危機感を覚える西岡。その積極性を生かして外部発注をしてしまい後に引けない状態を作るなど、水面下で動きます。

しかし出る杭は打たれる。会社での西岡の立場が危ぶまれそうで気がかりです。

うってかわって馬締のほうは香具矢と相変わらず。と見せかけて大家さんの仲介により一緒にご飯を食べたりといい雰囲気です。

ヌッポロ一番おいしいよね。インスタントラーメンの中でも定番ですもんね。夜中に3人でわけっこしている様子が微笑ましいです。

メガネをとった馬締がけっこうイケメンでびっくり。猫背の姿勢を伸ばしてしゃんとしたらきっと香具矢と並んでもお似合いになるはず。

西岡にも同棲中(?)の彼女がいました。どこかで見たと思ったら3話のあの彼女だったんですね。西岡の仕事の話も聞いてくれて、こちらもとてもいい子そうです。

女慣れしていない馬締と、女慣れしている西岡。性格もタイプも相反する2人が机を並べ、大渡海という1つの辞書を作るための作業に取り組む。

西岡は、辞書編集なんてドMがやる仕事だと悪態をついていますが、真面目一筋の馬締の

言葉への情熱は自分にはないものだと彼を認めています。
 
馬締に影響され西岡は西岡なりにこの仕事の楽しみ方を見つけたようなので、辞書編集部解散とか西岡の異動とかホントやめてほしい…と祈ってしまいます。

タケさんのナイスアシストで香具矢とデートすることになった馬締の休日。馬締も香具矢もデートする服装かと言われるとちょっとコンビニに買い物的な格好ですが、かっこつけない普段着姿なのもこの2人には自然体でいいのかも。

観覧車を料理に例え好きだと告げる香具矢に、自分もと伝える馬締。観覧車の話ではありますが、これはお互いにとってもラブな雰囲気なのでは。

観覧車を降り損ねてもう1周してしまう馬締の天然っぷりがかわいい5話でした。

5話の感想 揺蕩う(たゆたう)

5話タイトルの「揺蕩う」を「たゆたう」と読めなかった人がここに。耳慣れないしめったに目にしない単語ですね。意味はゆらゆらと揺れる様のこと。

日本語の響きでなんとなく意味もわかるような感じでしょうか。言葉って不思議ですね。

本編ではせっかく西岡が辞書編集に意欲を持ち始めた途端、局長に呼び出されて異動の命令がくだってしまいました。

会社という組織の中では特にしがらみやら何やらで出る杭は打たれてしまう。悲しきサラリーマンは異動を断るなどできない立場にあります。

西岡の彼女のいる宣伝部に異動になるようですが、彼女の三好も気遣ってくれてとってもいい子でした。

異動になるまで自分にできることを全部やる。馬締のことを気にかけながらも精一杯で職務をまっとうしようとする西岡が男らしくてかっこよかったです。

西岡の異動の話を馬締が聞いたらどう反応するのかな。

馬締は香具矢へのラブレターを便箋15枚にしたためて渡しました。漢詩などを織り交ぜて筆文字の果たし状のような古風な手紙です。

お、重い。愛が重い!(笑)

香具矢にわたせたはいいですがこれは伝わるのでしょうか。香具矢さんがドン引きしないといいのですが。そんな女性じゃないからきっと救われるのでしょう。

いい話だった…と思ったら最後でオチました!やってくれるなあ(笑)ラブレターをいつか役に立つかもといってコピーする西岡のわっるい顔に、せっかくのいい奴認定が取り消しになりそうな5話でした。

6話の感想 共振(きょうしん)

共振の意味は、心が反応しあって同じようになること。

ラブレター、いや恋文を悔しそうな西岡。に渡せたものの朝バッタリ会って逃げ出してしまった馬締。香具矢もあの難易度の高い重めのラブレターを手に持っていたということは、夜ちゃんと読んだわけですね。

一方、編集部では西岡の異動が皆の知るところになりました。さすがにずっと黙っているというわけにはいきません。

馬締の愕然とした表情。馬締としてはこれから得意分野を分担して二人三脚で一緒にやっていこうという気持ちで心強かったのに、相棒がいなくなってしまうことに不安を感じます。苦悩に満ちて悔しそうな表情の西岡にも胸が痛みますね…。

西岡が異動した後は社員が馬締ひとりになってしまうので、仕事量ものしかかる責任も当然重くなってくるでしょう。

仕事で行き詰まりさてプライベートはというと、香具矢の返事は「ごめん」えええっ!ダメかあ…と思っていたら夜中にきちんと話をしにきてくれました。きちんとその意味を受け止めた香具矢の返事はYES。

「私も好きです」のまっすぐな告白に、ほっと胸をなで下ろしました。あの観覧車デート(?)から香具矢も馬締のマジメで実直な性格に惹かれていたんですね。

2人はお互いに、辞書編集者として料理人として、人が生まれながらに背負ってきた業によって突き動かされるように働く似た者同士。

燃え上がるような情熱はなくとも静かに想いあう「共振」の名にふさわしいお似合いのカップルに、心から応援できる大人の恋人同士だなと温かい気持ちになりました。

ところで佐々木さんの「業」って何なのでしょう。こういう落ち着いた女性が職場にいてくれると助かりますが、こういう地味目な女性がとりあげられる機会ってあまりアニメでは見かけません。

ミステリアスな彼女のことをもっと知りたくなりました。

7話の感想 信頼(しんらい)

信頼とは、尊敬する人と意志を通じて頼りにすること。

西岡の異動が近づく中、大渡海の編集にまい進する馬締。原稿を依頼していた大学の教授に現行の手直しの件で呼び出された西岡は、土下座を要求されてしまいます。

ハラハラしましたがプライドを持って切り抜けた西岡。あーよかった。こういうめんどくさい人って仕事してると確実にどこかで出くわしますが、うまくやらないと大変な騒動になったりするので本当にめんどくさいですよね。

原稿の決まりも守らずに直しに文句をつけてごねるとか、ほんっとにこういう人いる!とちょっと胃が痛くなりました。

西岡、よくがんばった!同棲中の彼女も詳細を聞かずとも抱きしめて包み込んでくれました。いい子だー!

そんな西岡を信頼している馬締は、異動してどんなに離れてもどんなに壁があってもできる限りフォローすると言ってくれた西岡の言葉に安堵します。

「1人になってもお前はひとりじゃないからな」と言ってくれる同僚がいるなんてとても幸せなこと。お互いに良い影響を与え合う仕事仲間に恵まれて馬締は幸せ者です。

絶対に大渡海を完成させようと改めて心に誓う馬締。香具矢との関係も順調のようです。

2人の編集者の絆を垣間見ることができ「信頼」のタイトルにふさわしい7話でした。

8話の感想 編む(あむ)

「編む」とは文章や歌などを集めて本にまとめること。

冒頭、海辺で仲良く手をつなぐ馬締と香具矢の姿に微笑ましく思っていたら、おや?辞書編集部に新しい社員の女性が異動してきました。

西岡の代わりの補充の人員かと思ったら何かが違う。そういえば馬締がちょっと老けているような…と思ってよーく見たら、左手の薬指に指輪が光っていました。

いつの間にか香具矢さんと結婚してたー!8話では7話から13年後になっていてびっくりです。香具矢さんも馬締も年相応の容姿になっていて、このあたりがリアルでいいなと思いました。

異動してきた岸部さんはファッション雑誌にいたようで、ネイルもきっちり、おしゃれでかわいらしい女性です。歓迎会ではこちらもちょっと年を重ねた西岡も現れました。宣伝部で頑張っているようですね。

チャラいイケメンというのは変わっていなくて、同じ宣伝部の彼女とはどうなったのかな。こちらも結婚したのかしら。左手に指輪はしていませんでしたが…。

ファッション誌では言葉の使い方で編集長とぶつかることも多かった岸部さん。でも西岡に認められて頑張る気になりました。

西岡ナイス!隠れたファインプレーです。馬締とも良い関係が続いているようで安心しました。

紙が手に吸い付くような感触なんて考えたこともありませんでしたが、辞書は確かに分厚いのでそういう細かいこだわりが大切になってくるのでしょう。

「大渡海」も少しずつではありますが形になりつつあるようで、完成が楽しみになってきました。

9話の感想 血潮(ちしお)

血潮とは、潮のように流れる血のこと。

岸部さんを新たに仲間に迎えた玄武書房辞書編集部。ある日、ひょんなことから社内秘文書ファイルを見ていたら、なんと馬締の取扱いについての注意書きを発見した岸部さん。

西岡の指示の通りに動いて宝探しのように馬締のかつてのラブレターに辿り着きます。13年越しに発見されたあの小難しいラブレター。西岡が残しておいた意味がありました(笑)

改めて馬締の言葉に対する情熱に触れて、やる気をみなぎらせる岸部さんがキュートです。言葉を愛しているという響きが素敵。辞書編集部の雰囲気もとても良くてうらやましい限りです。

エアコン度温度調節バトル、分かるなあ。体感温度って男女で違うんですよね。佐々木さんはさすが強かった。

言葉は年々時代と共に変化していき、それらに敏感になって辞書も新たに作っていかなければいけません。辞書と聞くといわゆる固い言葉が掲載されているイメージですが、いわゆる若者言葉なども吟味して掲載が検討されています。

昔と今では言葉の意味も変わってくる。「やばい」なんて典型的ですよね。悪い意味で使うよりも良い意味や驚きを表す意味で使われることが多くなりつつある。

変わりゆく言葉に敏感になり、利用者のニーズを感じとっていかなければ新たな辞書など必要なくなってしまいます。

馬締も会社との交渉で粘れるようになったり、西岡とまではいかないまでも13年という年月は辞書編集部にいろんな変化をもたらしました。

辞書の真ん中には「せ」がくるとバランスが良いというのにはびっくりです。50音のもっと後ろの音が真ん中にくるのかと思ったら違うんですね。

日本語には「あ」「か」「さ」から始まる語句が多いなんて、意識したこともないし初めて知りました。

ぬめりが足りないと言われていた紙の製造会社の担当さんも、何度ダメ出しをされても再考してより良いものをと作り上げてくれました。

けっこうイケメンだなと思っていたら、岸部さんとデートすることに!岸部さん、やったね☆佐々木さんの咳払いにはくすっと笑ってしまいました。

しかしほんわかしていたら「血潮」という語句が抜けていることが判明します。もしかして他にも抜けがあるんじゃ…という不穏なところで終わってしまいましたが、これは大変なことになりそうです。

ここまできてまた24万語もある言葉が1つ1つ載っているかチェックするのでしょうか。それこそ気が遠くなりそうな作業ですがやるしかないですよね。松本先生の体調も心配です。

あわわと思っていたらラストのCパートでまたほっこり。岸部さんのデートの成功のために密かに尾行していた編集部のメンバー。他人の色恋沙汰には関心が薄そうな佐々木さんがリーダーみたいになってるのがまたじわじわきます(笑)

しかしデートでまず純米酒を5合注文する岸部さんの男らしさよ。

10話の感想 矜持(きょうじ)

矜持とは、誇りやプライドのこと。

たったひとつの語句が抜けていることから、24万語すべてをチェックし直すことになった辞書編集部。

もちろん編集部の人数ではどうしようもないので、アルバイトの大学生をたくさん採用しました。これ、確か実写映画の方でも見た記憶がうっすらありますね。

何度も文字の海に呑まれそうになるも、なんとか自分を奮い立たせて確認作業にいそしむ馬締。大学生たちも慣れてくると効率が上がっていきます。

ときどきやってきては差し入れをしてくれたりと、サポートしてくれる西岡。

前回までは西岡の指に指輪が見当たらなかったと思うのですが、今回は左手の薬指に指輪をしているのを何度か確認できました!なんか嬉しい(笑)あの同僚の彼女とかな。

馬締の大家さんのおばあちゃんもお亡くなりになっていたし、ゆっくりながらも時間の経過を感じさせられます。

結局無事に24万語をチェックし直して抜けがないことが分かり、一同ホッとしたのもつかの間、松本先生が入院したという連絡が入りました。

馬締や西岡がお見舞いに行っても、検査入院だということで歯切れの悪い感じだったのがなんだか嫌な予感がしますね。松本先生の奥さんが時々口ごもる感じだったのが気になります。

舟を編むも次回で最終回。大渡海に関する気が遠くなるような作業にも終わりが見えてきました。松本先生が大渡海の完成を見届けることができるといいですね。

最後まで厳かな気持ちで見守りたいと思います。

11話最終回の感想 灯(ともしび)

灯とは、ともした小さな火やあかりのこと。

関せ直前の大渡海を持って松本先生宅へお見舞いに行く馬締。しかし養生していた松本先生の口から告げられたのは、癌であるという事実でした。

ショックを受けた馬締ですが、松本先生のためにも大渡海を完成させることを改めて心に誓います。

4月、とうとう10年以上の歳月をかけて完成した辞書「大渡海」の出版記念パーティで、今は亡き松本先生からの手紙を読んで涙する馬締。

辞書は完成したからといってそこでおしまいではありません。これから幾度となく見直して改定を加えていく必要があります。

言葉は生き物。多くの人がコミュニケーションをとるための一助となる言葉。その手助けをするのが辞書である限り、馬締の仕事には終わりはないのでしょう。

辞書にかつて共に編集部で働いた西岡の名前も加えたところに、馬締と西岡の絆を感じさせられてじーんとしました。

描かれなかったところでも2人はきっと、この10年以上の長い期間「大渡海」を通して繋がって「大渡海」のために時間を共有してきたことでしょう。

見えない部分に想いを馳せる余白があり、温かく優しく、そしてとても静かで情熱的な作品でした。

西岡があの同僚の彼女と結婚していたのも嬉しかったな。10話では指輪は見えたけど相手が分からなかったからちょっとドキドキしてしまいました。

今は2人の子どもに恵まれていて、娘がそれぞれ父と母にそっくりで微笑ましかったです。賑やかで明るい家庭を築いているようですね。

馬締は子どもを持たずに香具矢と2人で仲睦まじく暮らしていますが、幸せの形は人それぞれなんだなと改めて思いました。

終わってしまうのは寂しいですが、終わりの見えない長い長い辞書作りをテーマに、大人が楽しめる静寂と熱意の秘められた良作でした。

関わったスタッフのみなさんお疲れ様でした。素晴らしいアニメをありがとうございました。

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